交通事故の加害者になった場合の注意点や被害者への手紙の書き方について

車を運転する人は絶対に交通事故を起こさないように注意しなければいけません。しかし誰でも交通事故の加害者になってしまう可能性があるため、万が一の事態に陥った際は速やかに適切な行動を取る必要があります。その一方で被害者への謝罪は後々のトラブルを避けるため、慎重に行うことが重要です。

交通事故で生じる加害者の責任の詳細や被害者への謝罪の方法について学びましょう。

対人の交通事故は被害が大きくなりやすい

交通事故は大別すると車両同士の衝突事故と、車両が歩行者を轢いてしまう対人事故があります。このうち対人事故は歩行者が大きな怪我を負いやすく、死亡するケースも少なくありません。車両の衝突による衝撃は非常に大きく、一般道の制限速度である時速40キロでぶつかった場合、約6メートルの高さから落下したのと同じダメージを受けてしまいます。

また、表皮に傷が無くても体内の筋肉や神経、臓器が損傷することがあるのも交通事故に多く見られる特徴です。そのため、事故直後は何でもないように見えて、後になってから重大な体調不良に陥ってしまうことも珍しくありません。

交通事故に遭った場合は速やかに病院で検査を受ける必要があるのはこのためです。

事故現場で生じる加害者の義務について

交通事故を起こした場合、加害者には救護と連絡の義務が生じます。いずれも義務なので速やかに行わないと義務違反として扱われ、刑罰の対象になることもあるので注意が必要です。救護義務は被害者の安全を確保することを目的としたもので、車両が通らない歩道へ運んだり救急車を呼ぶなどの行為が該当します。

事故現場から逃走するのは論外ですが、被害者が救護を拒否しても鵜呑みにしてはいけません。その場では何でもないように見えても、時間が経ってから痛みや出血が生じることもあるためです。被害者が自分の意思で事故現場から立ち去ろうとした場合、引き留めなければ加害者の救護義務違反になってしまうのでその点も十分に注意する必要があります。

連絡義務は警察への連絡のことであり、交通事故を起こした場合は救護と同様、速やかに行う必要があります。警察が処理することで事故が公になり、社会的な信用を損なう結果になります。デメリットのように思えますが、警察が処理しなければ交通事故が起きたと公的な認識が成されず、自動車保険の支払い対象になりません。

賠償金の支払いを自腹を切って行う必要に迫られるので、金銭の負担を減らすためにも警察への連絡は必須です。救護と連絡は事故の程度とは無関係なので、車両がわずかに触れただけの事故であっても加害者にはそれぞれの義務を果たす責任が生じます。

加害者が負う責任の詳細

交通事故を起こした場合、加害者には刑事、行政、民事それぞれの責任が発生します。いずれも加害者に対する社会的なペナルティであり、基本的に事故の程度が大きいほどその責任も大きくなるのが共通点です。刑事上の責任は道路交通法に違反している点が問われます。

交通ルールを守った運転を心がけていれば、ほとんどの事故を未然に防ぐことができたとされるためです。スピード違反や一時停止違反、信号無視などの違反行為が刑罰の対象になり、事故の程度で懲役や禁固、罰金などに分かれます。

罰金については指定された金額を完納できなければ一定期間、労役場に拘置されてしまうのでその点は注意しなければいけません。行政上の責任は運転免許証の扱いに関係します。免許証は車両を安全に運転できることを約束した証です。

そのため、交通事故はその約束に反した行為であり、免許証が持つ安全運転の有効性を大きく損なうことを意味します。点数の削減の他、免許の効力が一時的に停止される免許停止や免許が無効になる免許取り消しなどの処分が行政上の責任の内訳です。

免許停止は一定期間の後に再び効力が生じるので運転が可能ですが、免許取り消しは無免許と同じ状態になっているので運転はできません。再び運転ができるようにするにはもう一度、運転免許を取得するための講習を受けて試験に合格する必要があります。

交通事故はそれだけ社会への影響が大きく、運転免許証の信用を損なう行為と言えるでしょう。民事上の責任は主に被害者への賠償を意味しています。車両や道路上の設備を損傷させたり、人に怪我をさせてしまった場合は賠償金を支払うことになりますが、その金額は非常に高額です。

特に対人事故の場合、軽い怪我でも治療費や精神的な苦痛、仕事に従事している人なら休業補償などを支払うことになります。被害者が死亡したり、重度の障害を負ってしまった場合はさらに高額な賠償金を支払うことになります。

一般的なサラリーマンの収入では到底支払うことができない金額なので、自動車保険による賠償金の支払いが必須です。

自動車保険への加入は万が一の事故の際に金銭の補償をしっかりと行うための重要な条件と言えます。

被害者への謝罪は手紙に綴るのが無難な方法

交通事故の被害者に対する補償は十分な金額の金銭を支払うのが第一と言えますが、謝罪も忘れてはいけません。事故後の示談交渉に影響するとの理由で被害者への謝罪は不要と見なす保険会社もありますが、金銭の問題とは別に心からの謝罪を示すことが加害者のけじめと言えるでしょう。

本来なら被害者に直接会って謝罪するのが正しい方法ですが、被害者の側が会うのを拒否することも珍しくありません。そのような場合は面会を無理強いせず、謝罪の気持ちがあることだけを伝えるのが無難です。謝罪の言葉を綴った手紙を書き、被害者の近親者へ預けるのが正しい方法になります。

謝罪の手紙を書く際の注意点

交通事故の被害者への手紙を書く際は謝罪の気持ち以外の事柄は絶対に書いてはいけません。自身の不注意で事故を起こし、被害者に迷惑をかけたことを謝る気持ちを書くのは何の問題もありませんが、「どうか許してください」などと許しを請うような表現は自己弁護をしているように見えるので避けます。

また、賠償金の金額を下げるように要求するなど、示談に関係する事柄も書いてはいけません。謝罪の気持ちを綴るのが手紙を書く目的なので、文章の組み立て方が分からない場合は教則本などの資料を参考にするのが賢明な方法と言えるでしょう。

例文を参考にしつつ、自分の言葉で綴ることを心がけます。

事故を起こした事実を重く受け止めるのが加害者の責任

車を運転する人にとって交通事故は決して起こしてはいけないトラブルです。賠償金の支払いという形で金銭面での問題は解決できるかもしれませんが、被害者に怪我を負わせて精神的な苦痛を与えた事実は残ります。被害者への謝罪はそのような状況を作った加害者の非を認めることでもあるので、事故を起こした事実を直視し、その責任の重さを自覚することが重要になります。

謝罪の手紙を書く際はそのことを忘れてはいけません。